一般社団法人 日本臨床統合医療学会
日本臨床統合医療学会(JCIM)は、統合医療の発展と普及を目指し、科学的根拠に基づく研究・教育・臨床を推進する学会です。統合医療とは「個人の年齢や性別、生活環境、さらに個人が人生をどう歩み、どう死んでいくかまで考え、西洋医学、補完代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあったものを見つけ、提供する受診側主導医療」です。本学会は、この理念に基づき、医療の可能性を広げ、疾患治療のみならずより良い健康と生活の質の向上に貢献します。
理事長挨拶
20世紀に花開いた西洋医学は急性疾患や感染症などの原因究明とともに、その治療を可能にしてきました。しかしその反面、末期がん、神経難病、生活習慣病などの慢性疾患、原因不明の疾患、精神的な要素の関与する疾患、再発性の疾患などについては西洋医学では治療に苦慮する例も少なくありません。この問題に対して可能性を持つのが補完代替医療です。
日本には国民皆保険制度という世界に冠たる医療制度がありますが、このためか日本国民は健康増進や予防への意識が高い方ではなく、健康維持に努めるどころか通常は放置状態で健康を損なった場合に医療者に依存すればよいといった傾向があります。その結果、国民医療費は増大の一途をたどっています。加えて人口構造が変化し、1970年ころまでは20%程度だった50歳以上の割合が急激に増加しています。2060年には50歳以上は60%(65歳以上は40%)程度になると試算されています。超高齢社会です。介護費を含む社会福祉関連費の拡大は国家財政を破綻させる可能性も否定できません。人生100年時代を迎え、高い医療水準と医療技術で治す医療から予防医療や高い幸福度やQOLを実現する癒す医療が求められています。それをいち早く見越した欧米ではこの理念を含む統合医療が盛んにおこなわれるようになってきています。
治す医療である西洋医学については、基本的に根拠に基づく医療Evidence-based Medicine(EBM)が求められますが、EBMは人工知能に凌駕される日が来ることは明らかです。人工知能の台頭によりEBMについての人間の医師の必要性は低下するでしょう。しかしながら、癒す医療(補完代替医療)は科学的根拠に乏しく、人工知能では対応ができません。科学的根拠に乏しい癒す医療こそ人間の医療者にしかできません。それは科学的根拠だけではなく、価値観や人生観、死生観まで理解できるのは人間だけだからです。
以上をすべてカバーするのが統合医療です。改めて統合医療が必要な時代なのです。
ところが、日本では医学界や行政が統合医療と積極的に取り組んでこなかったため、さまざまな民間療法が野放し状態となり、いわゆるがん難民などの問題からの被害者もあとを絶ちません。被害者を決して作らない倫理観が必要です。
倫理観を持って世のため人のために必要な医療を正しく推進する学術団体が日本臨床統合医療学会です。
一般社団法人日本臨床統合医療学会
理事長 川嶋朗
主な各種伝統・補完代替医療
– Representative Complementary and Alternative Medicine (CAM) –
伝統医学(伝統医療)
- 漢方薬
- 鍼灸
- 気功
- 按摩·マッサージ
- 柔道整復
- 整体
- 操体
- アーユルヴェーダ
- ヨーガ
- (チベット)密教医学
- ユナニ医学
- ジャムウ
- 魔法医学
現代医学に対抗して生まれた比較的
新しい医学体系
- アロマセラピー
- ホメオパシー
- バッチフラワーエッセンス
- アントロポゾフィー医学
- オステオパシー
- カイロプラクティック
- 温泉療法
- 水療法
現代医学だが代替医療と呼ばれるもの
- 細胞免疫療法
- 癌ワクチン
- 放射線ホルミシス
- 点滴療法
(キレーション、ビタミンC、
グルタチオン,マイヤーズカクテル
など) - ジェモセラピー
心身相関療法
- サイコセラピー的なもの
- イメージ療法、バイオフィードバック療法、催眠療法、瞑想、祈り、笑い療法など
- ボディーワーク的なもの
- アレクサンダー·テクニーク、フェルデンクライス·メソッド、ロルフィング、ヘラーワークなど
- エネルギー療法的なもの
- ヒーリング、手かざし療法、鍼、気功、セラピューティック·タッチ、ホメオパシー、バッチ·フラワーレメディー、波動療法など
- 五感を活用するもの
- アロマセラピー、色彩療法、音楽療法、光線療法、絵画療法など
食事療法・サプリメント・ハーブなど
- 薬膳
- 断食療法
- マクロビオティック
- ゲルソン療法
- サプリメント
- 植物療法
その他
- 波動療法
- O-リングテスト
- エドガー·ケイシー療法
- ロボット
- 人工知能(AI)
本事務所所在地
一般社団法人 日本臨床統合医療学会
〒979-1308 福島県 双葉郡大熊町大字下野上字清水230
東京連絡所
〒106-0032 東京都 港区六本木4丁目11-11六本木GMビル 3階